orgelkonzert in der thomaskirche zu leipzig2009年に生誕200年を迎えたドイツ・ロマン派の大作曲家、メンデルスゾーンの生涯は38年という短いものでした。現在のイメージでは、メンデルスゾーンは作曲家ですが、当時は指揮者・ピアニスト・オルガニストとしても非常に多忙だったようで、これに自ら設立した音楽院の運営や、同時代作品や過去作品の紹介といった数多くの仕事が加わり、さらには各国への頻繁な旅行といった激務、姉ファニーの突然の死といった精神的打撃もあって、健康が極度に蝕まれ、寿命が短くなってしまったものと思われます。 しかし、幼少期から楽才を発揮した天才だったこともあって、残された作品はかなりの数にのぼり、交響曲や協奏曲、ピアノ曲、室内楽、声楽など、現在も聴かれる人気曲が数多く存在します。 メンデルスゾーンは、父の方針もあって、音楽だけに特化することのない幅広い教育を受けた教養豊かな人物としても知られており、絵画や文学への才能に加え、ギリシャ語やラテン語、イタリア語、フランス語、英語などの多言語や、古くはルネッサンス時代の音楽・美術にも精通した該博な知識、そして驚異的と称えられた記憶力が、自身の創作に役立っていたことは確かなようです。 指揮者としても、メンデルスゾーンは優秀な存在だったようです。合理的なアクションで楽員を的確に統率したメンデルスゾーンの演奏会は水準が高く、同時代の作曲家たちは、メンデルスゾーンに自作を演奏してもらうことを切望していました。また、メンデルスゾーンは、当時あまりとりあげられなかった過去の作品の紹介にも熱心で、バッハの『マタイ受難曲』の歴史的な蘇演や、シューベルト『グレート』の初演のほか、ベートーヴェンの第九をきちんと演奏して成功に導いたり、ヘンデルの作品を積極的に紹介するなど、歴史的傑作が正しく再評価されるように奔走していました。 そんなメンデルスゾーンの最近の人気作といえば、やはり姉ファニーへのレクイエムの意味合いで書かれ、その内面的な深さと情熱的な表現が聴き手の心を打たずにはおかない弦楽四重奏曲第6番でしょうか。対照的な若書き作品、弦楽のための交響曲の数々も、切れ味の良いピリオド・アプローチの出現によって、人気上昇中です。
orgelkonzert in der thomaskirche zu leipzig2009年に生誕200年を迎えたドイツ・ロマン派の大作曲家、メンデルスゾーンの生涯は38年という短いものでした。現在のイメージでは、メンデルスゾーンは作曲家ですが、当時は指揮者・ピアニスト・オルガニストとしても非常に多忙だったようで、これに自ら設立した音楽院の運営や、同時代作品や過去作品の紹介といった数多くの仕事が加わり、さらには各国への頻繁な旅行といった激務、姉ファニーの突然の死といった精神的打撃もあって、健康が極度に蝕まれ、寿命が短くなってしまったものと思われます。 しかし、幼少期から楽才を発揮した天才だったこともあって、残された作品はかなりの数にのぼり、交響曲や協奏曲、ピアノ曲、室内楽、声楽など、現在も聴かれる人気曲が数多く存在します。 メンデルスゾーンは、父の方針もあって、音楽だけに特化することのない幅広い教育を受けた教養豊かな人物としても知られており、絵画や文学への才能に加え、ギリシャ語やラテン語、イタリア語、フランス語、英語などの多言語や、古くはルネッサンス時代の音楽・美術にも精通した該博な知識、そして驚異的と称えられた記憶力が、自身の創作に役立っていたことは確かなようです。 指揮者としても、メンデルスゾーンは優秀な存在だったようです。合理的なアクションで楽員を的確に統率したメンデルスゾーンの演奏会は水準が高く、同時代の作曲家たちは、メンデルスゾーンに自作を演奏してもらうことを切望していました。また、メンデルスゾーンは、当時あまりとりあげられなかった過去の作品の紹介にも熱心で、バッハの『マタイ受難曲』の歴史的な蘇演や、シューベルト『グレート』の初演のほか、ベートーヴェンの第九をきちんと演奏して成功に導いたり、ヘンデルの作品を積極的に紹介するなど、歴史的傑作が正しく再評価されるように奔走していました。 そんなメンデルスゾーンの最近の人気作といえば、やはり姉ファニーへのレクイエムの意味合いで書かれ、その内面的な深さと情熱的な表現が聴き手の心を打たずにはおかない弦楽四重奏曲第6番でしょうか。対照的な若書き作品、弦楽のための交響曲の数々も、切れ味の良いピリオド・アプローチの出現によって、人気上昇中です。